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地場農機


さつまいもの苗植えシーズン、昨日に引き続いて苗植え台車の話題です。

さつまいもは地中に実がなる地下茎植物です。そして温暖な気候に適した、亜熱帯の植物でもあります。ですから、さつまいも栽培の要件として、地下になった実を収穫しやすく、かつ土を温かく保つ必要があります。そのために畝を作って、さらにマルチと呼ばれるフィルムで被覆します。その中に苗を植え付けて、成長させます。

苗を植える作業には、畝沿いに動く台車を使います。僕の小さな頃は台車は無く、苗を担いで、腰を屈めて、広い面積を植え付ける大変な作業でした。現在では、いろんな農機具メーカーから、様々な台車が販売されています。作物によって必要な大きさが違うので、種類は様々です。とはいえ、農業汎用の台車が多いので、細かな部分までニーズにあったものとはいきません。しかしながら、簡単な構造の物は地場に根ざした農機具メーカーが、使い勝手を考えて作った物などがあり、なかなか面白いものです。

弊社…というか我が家もそんなメーカーのひとつかもしれません。ただ、自家用なのでメーカーではないかもしれません。写真は我が家の電動苗植台車です。
フレーム、駆動系をオリジナルで設計、ギアボックス等は汎用品を使用しています。L型フレームの3輪電動台車で、全輪片持ち懸架仕様です。これは狭い畝間に対応するため、なるべく幅を狭め、かつ接地圧を下げるための構造です。4輪では端部での回頭に不便で、車体も重くなるので、3輪構造を採用したとのこと。駆動系は、フレームの強度メンバーになっている部分が多く、モノコック的な成り立ちで、強度を保ちながら重量を軽減しています。

世の中知らない所に、我が家のような台車も存在しているかもしれません。出来ればネットで見てみたいような、ネットなんかに掛かって欲しくないような。全国どこにでもある、コンビニや大手スーパーみたいなのではなく、地元資本のスーパーみたいな感じで、地元に根ざした農機具メーカーに、大手には出来ない農機を作っていてほしいなぁと思います。

今日の修理


さつまいもの苗植えの時期です。弊社では自社製の電動3輪車両を使用し、作業しております。本年モデルから新しくDC/DCコンバータを搭載し、速度制御を始めました。

DC/DCコンバータの製作は、学生時代からの父親から出されていた課題だったのでした。学生時代に作った物は、60Wの変換で強制空冷が必要なほど発熱して、効率が悪く、ボリューム入力に対する、変換出力のリニアリティが無く、ひどいシロモノだったのですが、10年ぶりに新規制作しました。

最大変換容量は240Wです。学生時代に作ったものに比べ、容量は4倍、体積は1/4になっています。この10年の半導体の進歩はやはりすごくて、スイッチングロスによる発熱を、ほとんど気にしなくてよいぐらいになっていました。おかげでサイズが小さく出来たので、従来からあった進行方向逆転用の、トグルスイッチケースの中に詰め込むことが出来ました。電力変換機能としては、ソフトON/OFFと256段PWM可変速だけの単純な降圧チョッパです。動作成績はいまのところ良好です。

台車走行方向の転換は2Cスイッチを用いています。今日はこのスイッチが不調となったので、修理しました。原因は、接点にオイル状にゴミが堆積して、導通不良になっていたことでした。

来年モデルはフルブリッジ化する予定です。あと定トルク制御も入れられれば入れます。その他、フレーム、駆動系、バッテリーなどフルモデルチェンジする話を父としています。来年の今頃にはデビューする予定です。1年ほど気長にお待ちください。