うちの父は怒りません。少なくとも息子2人には全く怒りません。沸点は相当高く、息子が言うのも変ですが、息子のやることに理解があるという人です。そんな父に、後にも先にも、ただ一回だけ怒られたことがあります。それが、学生時代にPEUGEOT pacific18を買ったときのことです。仕送りを送ってもらっている身で、分不相応な物を買うな。そんな物を買うために仕送りをしているのではない、と怒られました。怒り方はそんなに激しくはなかったですが、怒るイメージののない人に怒られると、落差で怒りの印象が大幅に上がり、かなり反省した思い出があります。
PEUGEOT pacific18
もう15年近くも前の話ですが、pacfic18は、今も家にいます。このpacific18という自転車、フォールディングバイク、いわゆる折りたたみ自転車です。小径車というジャンルでもあります。その割に8段変速で、一応前後にサスペンションも付いていて、走りは本格的です。それでいて、革製のサドルと、それに合わせたハンドルグリップのコーディネイトであるとか、落ち着いた車体の塗装色であるとか、メカとおしゃれ感の同居が、実にいいバランスだなあと思っております。大学時代に、写真と自転車を教えてくれた師匠(同級生ですが)と一緒に、マウンテンバイクを探しに行ったはずが、一目惚れしてこちらを買うことになってしまうぐらい、一瞬で気に入ってしまいました。
しかし、ちょっと状態は芳しくありません。 屋内保管はしてあったものの、金属部品の錆がひどいです。ネジ類、メッキしてあったパーツ類、チェーン、スプロケットなどさびさびです。ちょっと近所の公園まで、運動がてら乗ろうかということで、久しぶりに出してきたらこの有り様です。
あらら あらあら あぁ(´;ω;`)
ちょっとこれでは、あの時の反省が生きていないではないか、ということで、レストアして積極的に使っていこうと思い立ちました。実はこの自転車の本名、というか、出自はドイツのbd-1というメーカーです。PEUGEOTはOEMでこの自転車を販売していました。欧米の車メーカーの多くが、自社ブランドの自転車を販売していますが、大抵はこのOEM、つまり製造委託で自転車を作っています。中でも、このpacific18はほぼbd-1で、安易と言えば安易かもしれません。しかし、もとのbd-1がよくできている上、PEUGEOTのセンスがはっきりと入っているし、何よりbd-1が、長期にわたって、モデルを維持する方針のメーカーだったのがよかったと思います。
実際、pacfic18は15年も前のモデルではありますが、bd-1モデルの世代でいうと、たった1世代前のモデルです。 ころころモデルチェンジされると嫌になる僕としては、大変喜ばしいことです。そしてbd-1の愛好家は多いので、1世代前のモデルでも、パーツはまだ供給されており、少数派のPEUGEOT派でも、bd-1のパーツを注文すればよいので、今でもレストアが可能で、長生きをさせられるという恩恵があります。
ということで、近所で取扱店を探してパーツを注文しました。交換は自分でやろうかとも思ったのですが、スプロケット交換を専用工具なしで出来るか不安だったので、自転車屋さんに依頼することにしました。サイトの趣旨と若干反するかもしれませんけど…