カテゴリー : 自転車

PEUGEOT pacific18をレストアする 4

フロントサスのスイングアームピボットのシャフトがやはり錆び付いていたので、外してサンドブラストで錆落としです。いろんな部品がメッキ加工してありますが、部品によってメッキの付き方がまるで違うようで、今でもしっかりメッキが付いているものもあれば、この部品のように錆だらけのものもあります。メッキ加工の注文を出す時に、どのように仕様を指定するのでしょうか? そしてテストの方法はどうしているのでしょう? いろいろ気になります。

そんな様々なメッキ部品の中で、こちらもやられていたドリブンスプロケット。これは錆落としが厳しかったので新品と交換しました。チェーンがかかる部分はしっかりメッキが残っていましたが、それ以外の部分が錆にやられていました。表面に付いた錆が錆を呼ぶ例のあれでしょうか。やはりこまめにメンテしてやらないと、かわいそうになるということですね…反省。ディレーラーも錆だらけだったので、こちらはワイヤブラシでゴシゴシと錆落とし。

そしてアルミ部品にも錆が発生しているので、研磨しました。

施工前 → 後  

ロゴを残したかったのですが、さすがに無理でした。表面のアルマイト層は完全に削り取ってしまったので、全面を研磨することになりました。#2000のペーパーで研磨して、金属磨き液でさらに研磨して…とやっても磨き痕がちょっと見えます。しかもアルマイトが無くて、傷に弱い状態なのが不安ですが、とりあえず使って具合を見てみます。

PEUGEOT pacific18をレストアする 3

サドル部品の塗装が仕上がったので、さっそく組み立てることにしました。ひととおり、部品はきれいになったとは思いますが、錆の進行具合によって処置を変えて、塗装色も微妙に変えたので、組んだ時に変な感じにならないかが心配ではあります。

  • クロムメッキの色
  • シートはブラウン
  • コイルはつやあり黒
  • フレームはつや消し黒
  • アルミはサンドブラストにクリア
  • 部品の1つに”メッキ調シルバー”
  • ボルト・ナットはステンレス
  • サドルポストはなんだかチタンみたいな色

ずいぶん色が混ざったものです。大丈夫かな…。

ひとまずサドル本体を組んだところ、そんなにおかしくはない模様…、と思いたい。さらに組み立て。

まあOKかな。これでいちおう乗れる状態になりました。表面が痛々しい部分もありますが、そこは継続して補修を重ねます。まず乗れることが重要。

精神的にしんどくなってきた場合は、片付け・お掃除、そして軽く運動するべし。これで夜な夜な近くの陸上競技場の周囲を走りたいなと。一人で仕事をしていると、何だか何かを消耗している気がするのです。

PEUGEOT pacific18をレストアする 2

前回注文したスプロケットとチェーンは、早々に入荷したので、取り替えてもらいました。その自転車屋さんで自転車を買ったわけではないので、若干気兼ねしたのですが、話し好きの店長さんと話がはずんで、実によかったです。次からも使おうかな。と。

いろいろな部分がボロボロの状態で持ち込んだので、かなり恥ずかしかったのですが、10年ほったらかしにしてあった業がこの見た目ということで、自分を恥じつつ、錆落としを始めることにしました。まずは最大の難関になりそうなサドルから。いっそ買おうかとも思ったのですが、生産完了品につき、新品は手に入りません。それも5年以上前からそんな状態でした。たまにヤフオクに登場したりもしていましたが、それもやはり5年以上前のお話で、今やまったく手に入りません。なるべくレストアでなんとかするという趣旨でもあるし、やはり現品を利用します。ではさっそく分解します。

革サドルですが、革には柔軟性がほとんどなく、バネ類で振動を吸収する構造です。構成部材の多くがバネで、バネを組み合わせてサドルにしているような感じでした。そしてバネとしてのストロークが大きい物ほど、錆が進行している様子で、コイルバネが一番ひどいです。ううむ、これはめんどくさそうだ…ということで、フレームから手をつけていきます。ワイヤブラシでゴシゴシと磨きますと…

案外取れるものです。メッキがしっかりしているのか、してないのかよくわかりませんが、そう簡単にハードクロムメッキは取れないことがわかりました。こんな感じで次々に錆を落としていきます。そして、問題のコイルバネが残りました。ワイヤブラシで磨くと、錆は取れるのですが、バネの内側はいかんともし難く、これは秘密兵器を投入せねばなるまいということで、サンドブラストにかけることにしました。

割と取れました。さすがにハードクロムメッキも保たず、丸裸になってしまいましたが、これはしょうがないです。しかしとても効率がいいので、らくちん。アルミ部品は全てサンドブラスト処理しました。

そして謎の場所で塗装。アルミはクリア塗装。鉄系部品は錆び止めの後、各色に塗装します。
続く。

PEUGEOT pacific18をレストアする 1

うちの父は怒りません。少なくとも息子2人には全く怒りません。沸点は相当高く、息子が言うのも変ですが、息子のやることに理解があるという人です。そんな父に、後にも先にも、ただ一回だけ怒られたことがあります。それが、学生時代にPEUGEOT pacific18を買ったときのことです。仕送りを送ってもらっている身で、分不相応な物を買うな。そんな物を買うために仕送りをしているのではない、と怒られました。怒り方はそんなに激しくはなかったですが、怒るイメージののない人に怒られると、落差で怒りの印象が大幅に上がり、かなり反省した思い出があります。


PEUGEOT pacific18

もう15年近くも前の話ですが、pacfic18は、今も家にいます。このpacific18という自転車、フォールディングバイク、いわゆる折りたたみ自転車です。小径車というジャンルでもあります。その割に8段変速で、一応前後にサスペンションも付いていて、走りは本格的です。それでいて、革製のサドルと、それに合わせたハンドルグリップのコーディネイトであるとか、落ち着いた車体の塗装色であるとか、メカとおしゃれ感の同居が、実にいいバランスだなあと思っております。大学時代に、写真と自転車を教えてくれた師匠(同級生ですが)と一緒に、マウンテンバイクを探しに行ったはずが、一目惚れしてこちらを買うことになってしまうぐらい、一瞬で気に入ってしまいました。

しかし、ちょっと状態は芳しくありません。 屋内保管はしてあったものの、金属部品の錆がひどいです。ネジ類、メッキしてあったパーツ類、チェーン、スプロケットなどさびさびです。ちょっと近所の公園まで、運動がてら乗ろうかということで、久しぶりに出してきたらこの有り様です。


あらら           あらあら          あぁ(´;ω;`)

ちょっとこれでは、あの時の反省が生きていないではないか、ということで、レストアして積極的に使っていこうと思い立ちました。実はこの自転車の本名、というか、出自はドイツのbd-1というメーカーです。PEUGEOTはOEMでこの自転車を販売していました。欧米の車メーカーの多くが、自社ブランドの自転車を販売していますが、大抵はこのOEM、つまり製造委託で自転車を作っています。中でも、このpacific18はほぼbd-1で、安易と言えば安易かもしれません。しかし、もとのbd-1がよくできている上、PEUGEOTのセンスがはっきりと入っているし、何よりbd-1が、長期にわたって、モデルを維持する方針のメーカーだったのがよかったと思います。

実際、pacfic18は15年も前のモデルではありますが、bd-1モデルの世代でいうと、たった1世代前のモデルです。 ころころモデルチェンジされると嫌になる僕としては、大変喜ばしいことです。そしてbd-1の愛好家は多いので、1世代前のモデルでも、パーツはまだ供給されており、少数派のPEUGEOT派でも、bd-1のパーツを注文すればよいので、今でもレストアが可能で、長生きをさせられるという恩恵があります。

ということで、近所で取扱店を探してパーツを注文しました。交換は自分でやろうかとも思ったのですが、スプロケット交換を専用工具なしで出来るか不安だったので、自転車屋さんに依頼することにしました。サイトの趣旨と若干反するかもしれませんけど…