カテゴリー : 農機

日本を支えるスゴイ機械 我が家編


今日の和風総本家は、定期的にある「日本を支えるスゴイ機械」特集でした。父がすごく機械好きなので、たいてい一緒に見て、感心したり、どうやって作っているのか考えたりしてます。大手メーカーの機械もあれば、地元の小さな機械屋さんの物もあります。どの機械も精緻で、よく考えられたメカです。使い勝手を考えて、細かな所まで作り込むのは、おそらく日本が世界でも指折りのものを持っているのだと信じております。

とりわけ僕は、地方の小さなメーカーが、ちょっとどころでなく、うならされるようなよく出来た機械を作っていると、感心を通り越して、感動してしまいます。IT技術も結構なものですが、やはり実体をもって、メカニズムが目に見える機械というのは、わかりやすく素晴らしい。僕は電気屋の端くれですが、制御は出来るだけ機械的に対処して、機械にはどうしようもない部分を、電気がやるのが好みです。機械で対処出来るのは、その機構がよほどうまく考えてあり、その知恵がとても美しいと思うからです。電気の分野でも、美しい制御というのはありますが、同時にディジタル制御の分野では、ごまかしも効いてしまうという側面もあります。機械でもごまかしはあるかもしれませんが、目に見えます。だからそこは抑制される。それが機械のいい所かもしれません。

前置きが長くなってしまいました。実は、テレビに出すほどではないかもしれませんが、我が家にも仕事に重宝するスゴイ自家製機械があるので、少々ご紹介いたします。我が家ではこの季節、さつまいもの収穫を行っております。さつまいもは知っての通り、地下茎植物なので、その実は地中に埋まっており、収穫作業はまさしく芋掘りであって、大変な重労働です。でも近年、収穫は機械化されています。細い鉄棒のコンベアを、さつまいもが埋まっている畝の下に差し込み、根こそぎ掘り返して、収穫していきます。

メーカーAの機械

メーカーBの機械

このような機械を、通称ポテトハーベスタといいます。割と大型の機械で、大人2人〜4人が乗って、掘られたさつまいもを木箱やかごに入れていきます。木箱一箱にさつまいもを詰めると30kg以上になりますが、これを5箱以上積んで走行出来ます。クローラ(キャタピラみたいなもの)で走行するので、接地圧は低く、スタックしません。このクローラと変速機は優れもので、左右逆回転して、超信地旋回(その場で回転)できます。戦車みたいです。おまけに箱を上げ下げするリフトまでついて、至れり尽くせり。面白い機械です。メーカーBの方は、和風総本家にも出ていました。

上の写真にある2種類、それぞれ別の農機具メーカーから販売されている機械で、シェアは99%以上を占めていると思われます。なぜ100%ではないのか?


我が家の機械

それは我が家で自主開発した機械が存在するためです。そうです、我が家の機械は父の手作りです。趣味と実益を兼ねて作ってしまいました。しかも2台目です。
さすがに、エンジンと変速機、クローラは買ってきたものですが、車体、コンベア、先輪など収穫にかかわる部分は、大きな構造用鉄板は近所の鉄工所に発注した以外、全て内製です。
木箱の大きさを比べていただくとわかりやすいですが、市販のものと比較して、一回り小さくなっています。必要十分の機能、かゆい所に手が届く仕様、自分たちの作業しやすいポジションづくりなど、我が家スペシャル仕様です。
乗車&作業ポジションが市販機と比べて、かなり低く設定されています。そのため、コンベア長が短く、低く、箱のリフトが不要です。全高が低くなり、重量が軽くなった分、燃費は半分程度、価格も半分程度で出来たそうです。我が家はそんなに大きな農家ではないので、これでジャストサイズ。車で言うとコンパクトカーの部類でしょうか。市販機は大型車の部類で、パワーがある分、処理速度を上げて、4人で対処するような大きな農家には、その方がよいでしょうね。
それにしても、父も見ていないので言っておくと、よく出来ているなぁと思います。よくこんなの作ったなと。コストパフォーマンスもいいです。僕もよく勉強しておかないといけません。機械として見るのはもちろん、メンテナンスのやり方も。僕が将来農家を継ぐ時には、自分で直さないといけませんからね…。そこが唯一の難点でしょうか?

地場農機


さつまいもの苗植えシーズン、昨日に引き続いて苗植え台車の話題です。

さつまいもは地中に実がなる地下茎植物です。そして温暖な気候に適した、亜熱帯の植物でもあります。ですから、さつまいも栽培の要件として、地下になった実を収穫しやすく、かつ土を温かく保つ必要があります。そのために畝を作って、さらにマルチと呼ばれるフィルムで被覆します。その中に苗を植え付けて、成長させます。

苗を植える作業には、畝沿いに動く台車を使います。僕の小さな頃は台車は無く、苗を担いで、腰を屈めて、広い面積を植え付ける大変な作業でした。現在では、いろんな農機具メーカーから、様々な台車が販売されています。作物によって必要な大きさが違うので、種類は様々です。とはいえ、農業汎用の台車が多いので、細かな部分までニーズにあったものとはいきません。しかしながら、簡単な構造の物は地場に根ざした農機具メーカーが、使い勝手を考えて作った物などがあり、なかなか面白いものです。

弊社…というか我が家もそんなメーカーのひとつかもしれません。ただ、自家用なのでメーカーではないかもしれません。写真は我が家の電動苗植台車です。
フレーム、駆動系をオリジナルで設計、ギアボックス等は汎用品を使用しています。L型フレームの3輪電動台車で、全輪片持ち懸架仕様です。これは狭い畝間に対応するため、なるべく幅を狭め、かつ接地圧を下げるための構造です。4輪では端部での回頭に不便で、車体も重くなるので、3輪構造を採用したとのこと。駆動系は、フレームの強度メンバーになっている部分が多く、モノコック的な成り立ちで、強度を保ちながら重量を軽減しています。

世の中知らない所に、我が家のような台車も存在しているかもしれません。出来ればネットで見てみたいような、ネットなんかに掛かって欲しくないような。全国どこにでもある、コンビニや大手スーパーみたいなのではなく、地元資本のスーパーみたいな感じで、地元に根ざした農機具メーカーに、大手には出来ない農機を作っていてほしいなぁと思います。

今日の修理


さつまいもの苗植えの時期です。弊社では自社製の電動3輪車両を使用し、作業しております。本年モデルから新しくDC/DCコンバータを搭載し、速度制御を始めました。

DC/DCコンバータの製作は、学生時代からの父親から出されていた課題だったのでした。学生時代に作った物は、60Wの変換で強制空冷が必要なほど発熱して、効率が悪く、ボリューム入力に対する、変換出力のリニアリティが無く、ひどいシロモノだったのですが、10年ぶりに新規制作しました。

最大変換容量は240Wです。学生時代に作ったものに比べ、容量は4倍、体積は1/4になっています。この10年の半導体の進歩はやはりすごくて、スイッチングロスによる発熱を、ほとんど気にしなくてよいぐらいになっていました。おかげでサイズが小さく出来たので、従来からあった進行方向逆転用の、トグルスイッチケースの中に詰め込むことが出来ました。電力変換機能としては、ソフトON/OFFと256段PWM可変速だけの単純な降圧チョッパです。動作成績はいまのところ良好です。

台車走行方向の転換は2Cスイッチを用いています。今日はこのスイッチが不調となったので、修理しました。原因は、接点にオイル状にゴミが堆積して、導通不良になっていたことでした。

来年モデルはフルブリッジ化する予定です。あと定トルク制御も入れられれば入れます。その他、フレーム、駆動系、バッテリーなどフルモデルチェンジする話を父としています。来年の今頃にはデビューする予定です。1年ほど気長にお待ちください。